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相場操縦

初心者が株で儲ける近道は投資理論を学ぶことです!

相場操縦

相場操縦とは「意図的に株価を変動させたり、一定の数値に固定したりする行為」 です。

 

金融商品取引法の159条にて、このような行為は禁止されています。Market manipulation

 

  • 相場操縦とみなされる行為には以下のようなものがあります。

1、仮装売買、馴合売買(第1項第1号〜第9号)
2、変動操作(第2項第1号)
3、市場操作情報の流布(第2項第2号)
4、虚偽情報による相場操縦(第2項第3号)
5、安定操作取引(第3項)

 

これらに該当すると、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金が課せられることになります。
また、自己の利益のために、これら行為を行うと10年以下の懲役もしくは3000万円以下の罰金となります。

 

相場操縦により得た利益については、課徴金の対象となることが同法第174条で規定されています。

仮装売買と馴合売買

仮装売買とは「売買の意思がないにも関わらず、第三者を騙す目的で行われる売買のこと」です。

 

仮装売買が個人で行う売買に対して、組織ぐるみで行う売買を馴合売買と言います。

 

具体的には、ある特定の株式などにおいて仲間内で相互に売買を繰り返すことで、第三者に出来高急増などの誤った情報を認識させる行為です。

 

例えば、1000円の株価で、普段の出来高が10万株(1億円)の株式があったとします。

 

仮装売買を行うことを企んだA氏が、100万株100円で買い注文を入れます。それに対して、A氏の仲間であるB氏により100万株売り注文を入れます。

 

これにより、普段10万株の出来高しかない株が10倍もの出来高に膨れ上がるわけです。

 

これを見た第三者は、何か良いニュースでもあったかなどと勘繰り、この流れに乗っかろうと買い注文が入ってきます。

 

実際に何もなかったと分かれば、株価はもとに戻りますが、その前にA氏とB氏は自分たちのポジションを解消してしまい、莫大な利益を得ることができるわけです。

 

実は、ネットによる取引が盛んにおこなわれる証券市場では、自作自演でこれらを行うことができてしまいますので、このような誤解を受けるような行為はしないようにしましょう。

 

過去には、これらに違反した事例がいくつか起きています。有名な事例を紹介しておきます。

 

協同飼料事件・・・協同飼料が増資をする予定だったため、証券会社と同社が共謀して公募時まで高値を維持していた事件。1970年前後、増資が証券市場のブームとなっていた中、こうした増資公募時までの株価つり上げが多数起きており、東京地検特捜部による初摘発となった事件。

日本ユニシス事件・・・金融関係者と不動産会社社長など十数名により、日本ユニシスの株を高騰させ、利益を出した事件。当時、度重なっていた証券がらみの不祥事に対して、1992年7月に取り締まり強化のため発足した証券取引等監視委員会による初の強制捜査となった事件としても有名。

大阪証券取引所事件・・・当時、大阪証券取引所副理事長だった被告が、1998年12月〜2000年3月までオプション取引において売り買いど応数発注を593回繰り返していた事件。デリバティブ取引という先進的な取引を導入したばかりの大証で関連会社を使った自作自演を行っていた市場関係者に衝撃を与えた事件です。

変動操作取引

変動操作取引とは「第三者の取引を誘発するために、意図的に市場で売買を繰り返すこと」です。

 

分かりにくいですが、自分で買った金融商品を自分で売る自作自演の仮装取引に対して、変動操作に加担していない第三者との売買を行うという点が変動操作取引の特徴です。

 

売買が活発に行われていると誤解させ、株価を急騰させたり、下支えしたり、株価を意図的に操作します。

 

例えば、X株を持つA氏が一儲けしたいと考えます。そこでX株に高値で指値を行いながら株価を引っ張っていくともに、下値に大量の買い注文を入れて下支えすることで、第三者はX株は活況であると勘違いして、値上がりの波に乗ろうとします。

 

株価が高騰する中でA氏は売り抜けて大儲けするといった具合です。

 

変動操作取引で代表的なものは4つあります。

 

買い上がり買付け・・・高値で買い注文を出し続けることで株価を押し上げつつ、第三者がその流れに乗ってきたら買い玉を売って利益を出す行為です。先ほど出した例に近いです。

下値支え・・・下値に大量の買い注文を出したり、買い付けを行うことにより株価の下落を阻止する行為。先ほど出した例は、この「下値支え」と「買い上がり買付け」を組み合わせた行為と言えます。

終値関与・・・取引終了直前に、大量の買い注文もしくは売り注文を出すことで、終値を意図的に操作する行為。月末になると機関投資家が自分の評価を上げるためにドレッシング買いを行うなどと言われています。

見せ玉・・・売買する気のない発注を大量に行い相場を意図する方向へ誘導する行為。例えば、現在の株価が100円で少しでも高値で売り抜けたい場合95円や98円というレンジに大量の買い注文を置いておくことでそれをみた第三者はもう少し高いレンジに買い注文を置きます。こういった売買を意図していない注文を使って株価を誘導する行為が見せ玉です。

市場操作情報の流布と虚偽情報による相場操縦

市場操作情報の流布とは「第三者に売買をさせる目的で相場が変動するという情報を流すこと」です。
虚偽情報による相場操縦とは「第三者に売買をさせる目的で、相場変動に関わる重要事項について虚偽情報を流すこと」です。

 

これら2つは、非常に区別しにくいですが、要は嘘の情報を流して、株式とかを第三者に売買させるのはダメだということです。

 

また、これと似たような規定に風説の流布と言われるものがあります。

 

風説の流布とは「相場変動を目的として、虚偽情報を流すこと」です。こちらは、金融証券取引法第158条に規定されている内容です。
誰かをだます目的ではなくても、相場変動をもくろむことでアウトになってしまいます。

 

違反すると、10年以下の懲役か1000万円以下の罰金となり、また法人がらみで従業員やその法人の代表者が同法違反をした場合は7億円の罰金を支払わないといけない。

 

例えば、ヤフーファイナンスの掲示板にA社は倒産寸前などと嘘の情報を書き込むことは、風説の流布にあたる行為です。

 

こういった書き込みによって企業が大きな損害をこうむることもあります。

 

この程度の行為はよく見られますが、実際に掲示板の保有株の虚偽情報を書き込み続けていたことで逮捕されている事例もありますので、不用意な書き込みは十分に注意する必要があります。

安定操作取引

安定操作取引とは「有価証券の相場を一定の価格水準に安定させる行為」です。

 

通常は、このような行為は相場操縦として法律上認められていませんが、条件を満たすことで法律的に認められている取引です。

 

相場操縦の中で、例外的に認められている取引と言えます。

 

例えば、A社が増資で有価証券を大量に売り出すことを計画していたとします。もし、何も考えずに大量の株式を市場に売り出すと、A社の株は急落する恐れがあります。

 

こうなると、円滑に増資が行えなくなってしまいます。

 

つまり、相場を意図的に安定させる安定操作取引が認められていないと、有価証券の募集や売り出しを企業は安心してできなくなってしまいます。

 

よって、金融証券取引法の中でも、このような特例が認められています。

 

ただし、安定操作取引を行うことができるのは、証券会社のみで、かつ大蔵省に届け出をする義務があります。取引所でも、この取引が行われることを一般公開する義務がありますので、我々個人投資家でも事前に情報を得ることが可能です。



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